はい、理学療法士をして10年ちょっと経った筆者です。
今回はよく聞かれるこれ。
「理学療法士って稼げるの?」
に、現場目線で答えます。
結論:理学療法士は“稼げる仕事”ではない
まず結論から。
理学療法士は、基本的に稼げる仕事ではないです。
一般企業や公務員の方が、年数を重ねたときに給料が上がりやすい印象。
(もちろん職場にもよるけどね)
じゃあ、なんで理学療法士は稼ぎにくいのか。
それは「努力が足りない」とかではなく、
👉 そもそも“お金が発生する仕組み”に天井があるから
です。
まず知るべき:医療は「値段が決まっている」世界
ふつうの仕事って、
・お客さんからお金をもらう
・そこから人件費や光熱費や家賃が出る
って感じじゃん?
医療も似てるんだけど、決定的な違いがある。
👉 医療職は、患者さんからもらえる金額(=保険点数)が国で決まってる。
だから、価格を自由に上げられない。
今回は分かりやすく、
筆者が働いている 整形外科クリニック(運動器リハ) を例にします。
1枠20分=1,850円(※例)という“固定単価”
たとえば、運動器リハビリの1単位(20分)が 1,850円になります。
(※点数・単価は施設基準や改定で変動するし、脳血管・呼吸器でも違いますが、今回は私が勤めている整形外科クリニックでの例で書きます)
3割負担の人は、この 3割 を窓口で払ってるってこと。
で、ここからが重要。
1人の理学療法士が「1日・1週間にできる枠数」には上限がある
1人の理学療法士が担当できる枠数には法律によって決められています。
・1日24枠(24単位)まで
・108枠(108単位)まで
つまり、
👉 1人の理学療法士が稼げる上限が決まっています
1日の売上はどれくらいか
実際、私が働いていた場所含め、1日に担当する人数は、
少ない場所で18枠、多いところでも22枠です。
計算はMAXの24枠でしてみるとこうなります。
👉 1,850円 × 24枠 = 44,400円(MAX)
これが「その人が1日に生み出せる金額の上限」です。
これ以上は、どうやっても増えません。
実際は、18枠なら33,300円
22枠では40,700円になります。
実際の労働内容はかなりハード
じゃあ楽なのか?というと、全然そんなことはありません。
勤務例👇
•午前:9時〜13時(休憩なし)
•午後:15時〜18時30(これも休憩なし)
👉 ほぼずっと働きっぱなしです
さらに終わりません。
もちろんトイレ休憩なんて時間はありませんし、
いかない人スタッフが多いです。
なんなら水飲む時間すらないです。
患者さんを呼んで、コート脱いでる間に飲んでるくらい、
整形外科では時間がありません。
見えない仕事「カルテ業務」
患者さんを診たあとには、必ずカルテを書きます。
仮に👇
・1人3分で書いたとしても
・1日20人なら 約60分
👉 毎日1時間プラスされる
結果👇
・退勤はリハビリ終了してから20分程度遅くなる
・実際はもっと遅いこともある(他の書類作成もあるため)
しかも残業代は発生しにくい?!
ここも大事なポイントです。
👉カルテ業務には保険点数がつきません
つまり👇
患者さんからお金が発生しない仕事
= 施設側も利益になりにくい
実際、私は残業代出てない施設もあります。(笑)
見込み残業として残業込みでそもそも設定されていた施設もある。
「残業代は何分までしか出しません」って言われた施設もあります。
なかなかブラックな感じでしょ?(笑)
病院には2種類の仕事があります。
①お金を生む仕事
・診療
・リハビリ
👉 保険点数がつく
②お金は生まないが必要な仕事
・カルテ記載
・受付業務
・レセプト業務
👉 直接お金は発生しないが必要な仕事
ここで重要なのは👇
👉②の分も、①でカバーしている
ということです。
※これは優劣の話ではありません
※どちらも絶対に必要な仕事です
なぜ稼げないのか
結局まとめると👇
・売上の上限が決まっている
・労働時間は長い
・残業はサービスになりやすい
👉構造的に「稼ぎにくい仕事」になっている
稼ぐにはどうするか
もちろん例外もあります。
・講習会の講師
・本の執筆
・自費サービス
こういったことをやれば収入は増やせます。
ただしこれは👇
👉“理学療法士という仕事そのもの”の収入ではない
最近は仕事の割りに稼げないと言って、
若い世代が自費診療をやり出したり、
理学療法士がやる整体とかジム
とかが増えてる理由の1つがこれになります。
まとめ
改めて結論です。
👉理学療法士は、大きく稼ぐことには向かない職業です
それでもこの仕事が好きな理由
ここまでかなり現実的な話をしましたが、
正直に言うと👇
👉私はこの仕事が好きです
・患者さんが良くなる
・人の役に立てる
・やりがいがある
これ以外にも、仕事をしてて快感を感じることが多いのも理由。
これは他の仕事ではなかなか味わえません。
最後に
👉「稼ぎたい人」にはおすすめしません
でも
👉「やりがい」や「人のために」という気持ちがある人には、いい仕事です

