筆者を含め、私達理学療法士は体の勉強だけしておけばいいというわけではありません。それはなぜかというと、下記に記載したウィリアム・オスラーという人の言葉を見てみてもらえればわかると思います。
ウィリアム・オスラーという医師をご存知でしょうか?筆者も、教えてもらって知ったのですが…。彼には名言がいくつかありますが、今回のタイトルに関係しそうな名言を2つ紹介します。
良き医師は病気を治療し、 最良の医師は病気を持つ患者を治療する。
医療とは、ただの手仕事ではなくアートである。商売ではなく天職である。すなわち、頭と心を等しく働かさなければならない天職である。
ウィリアム・オスラー (参照:https://epilogi.dr-10.com/articles/1499/)
参照に載せたアドレスに、ウィリアム・オスラーの名言がまだまだ載っているので、気になる方はぜひ上記記事を確認してみてください。
以上のように、体だけを治せば良いわけではありません。医師ではないですが、「最良の理学療法士」になれるようにしたいですよね。そうなると、患者を治療できるようにならなければいけません。よって、体のことだけを知っていればいいわけではないのです。
前置きが長くなりましたが…
✓こんな人に読んで欲しい ・良い理学療法士になりたい人 ・最良の理学療法士になりたい人 ・知識や技術はあるのに、患者さんがなかなか良くならない人 ・患者さんとの関係を上手く作れない人 ・患者さんとの信頼関係を築けない人 ・患者さんに怒られたことがある人 ・ってか、理学療法士全員?(笑)
いい理学療法士とは?
これは、私達理学療法士でも一人ひとり意見は違うし、患者さんから見ても違います。そしてその意見を人に押し付けることも違います。
誰かが良いと考えることでも、他の人はそう考えない場合もあります。なので、上司や先輩が、「理学療法士なんだから…」と言ってしまうのは、どうかと思いますよね。それは、言った人にとっては「いい」かもしれませんが、みんなに当てはまる訳ではないので。
でも共通して考えられること。それは、「現状に満足していないこと」ではないかと筆者は考えています。「今のままでいいや〜」となってしまうことは、学習もしないし、より良い(治療)方法も考えないです。なので、この、「満足」ということは一つのポイントになるのではないでしょうか?
筆者が尊敬している理学療法士の先生も、相当凄いですが、満足していないようでした。筆者は、そんな先生が格好いいと思うし、そんなふうになりたいとも思っています。
どんなに凄いと言われている人でも。例えばスポーツ選手でも学者でもそうですが、今の自分に満足している人はいないですよね。それが「一流」と言われる人たちなのではないでしょうか。そして、理学療法士で言えば、「最良の理学療法士」になれるのではないでしょうか。
では実際、何を勉強すればいい?
そうです。これですね、問題は。最良の理学療法士になるためには。解剖学や生理学などは当たり前のものとしてカウントしません。普通、そんなことも必要なの?と思うような内容を挙げていきたいと思います。
- 心理学
- 行動経済学・社会心理学
- 哲学
- 教育学
最低でもこの4つは必要かなと。筆者も1−3まではやっていますが、4はまだまだ手を付けられていません。
以下では、なぜこれらが必要なのか、解説していきます。まぁ、あくまで筆者の考えになりますが…
心理学
これは結構大事。患者さんの発現やセラピスト自身の患者さんに対する感情なども、コレを知っていればなぜそう思うのか、なぜそのような態度なのかがわかります。
例えば整形外科であれば、たまにいる「リハビリにやる気がない」っていう感じでリハビリ室に来る患者さん。なぜそのような心理が働くのか。セラピストで多いのは「やる気ないんだったら来なきゃ良いのに」とか「やる気ないなら、違う患者さんのために枠開けてほし良いわ」「厄介な患者さんだわ〜」とかですね。ですが、これも心理学を学習すれば、なぜ患者さんがこのような態度になってしまうのか理由がわかります。ここでは解答は出しません。気になった方はご自身で調べてみてください。
ちなみに筆者は、他のセラピストが言う「厄介な患者さん」を担当するのは、楽しくって仕方ないです。肩回ししたくなる気分。「よーし、やったるで〜!」みたいな。関西人じゃ無いのに、関西弁使いたくなっちゃう感じです。(笑)
また、行動経済学は心理学+経済学とのことだったので、こちらは知っておかないとですね。以下の記事を参考にしているので、参照してみてください。
行動経済学・社会心理学
これら2つ。経済学に行動や心理を混ぜた感じですね。人の感情や周りの環境によって、その人がどのような行動を取るか、など。ちなみに、筆者も社会心理学にはまだ手を付けられていないです…すみません、やります…
担当する患者さんの周りに居る人、今まで担当してきた医者やセラピストによって、感じ方や考え方・表出の仕方など様々です。それを理解しないと、患者自身=その人自身を治療することは難しいです。
また、「クリニカルリーズニング」というものをご存知でしょうか?それにも、心理社会的因子の治療改善も理学療法士の役割となっています。なので、これらの学問は知っておいた方がいいですよね。
筆者が尊敬する先生におすすめされた本があります。「ファスト&スロー」という本ですが、皆さん知っていますか?ぜひ読んでみてください。長い本なので時間はかかるかも知れませんが、臨床にかなり役立ちます。
哲学
筆者が哲学が好きだから入れたわけではありません!笑
これは結構重要なことじゃないかなと考えています。哲学というと少し難しく聞こえるかもしれないですが…哲学が大事というよりも、考えることが大事かなと筆者は考えています。
筆者が読んだ本で「読まずに死ねない哲学名著50冊 (平原卓 著,フォレスト出版株式会社)」があります。そこに「そもそも哲学とはなにか?」という内容があり、その内容を一部抜粋しましょう。
どれだけ物知りだろうと、それが納得できる解に繋がらなければ意味がない。哲学に権威のための場所はありません。鋭い感受性と鍛え抜かれた洞察力で、問題の端緒をつかみ、共有できる問題の形に仕上げ、納得できる解を与えた人物だけが生き残り、読みつがれ、考えつがれてきた学問、それが哲学です。
読まずに死ねない哲学名著50冊 ,平原卓 著,フォレスト出版株式会社,2016年,P6
これ、理学療法にも通ずると思いませんか?どれだけ知識だけがあっても、検査をした結果を解釈できなければ意味ないし、それが納得のいく解釈にならなければいけません。問題点をつかんで、患者さんとその問題点を共有しなければ、治療に参加してもらえません。じゃないと、「病院に行って、やってもらうだけ〜」みたいになってしまいます。セラピストと患者さんで納得できる形になれば、患者さんとの信頼関係も生まれ、積極的に治療に参加してもらえるようになります。そうすると、理学療法士としても生き残っていけるのでは無いでしょうか?
そんな感じで、哲学って実は大事なんじゃね?という話でした。笑
教育学
コレですね。これは、「患者教育」にも必要だし、「後輩育成」にも必要ですね。
もしかすると、患者教育には経済行動学や社会心理学で十分かもしれません。後輩育成の方にこれは大事かもしれません。
学生の指導でもそうです。未だにパワハラあったりね。しますしね。たまにね。たまーにね。笑
あ、筆者はしてませんよ?辛いの嫌いだから。むしろ、そういう指導されてブチギレかけたので。なので、重要だと思いました。たぶん、多くの理学療法士が経験しているのではないでしょうか?同じ指導を後輩にしていないですか?
最後に。
以上、最良の理学療法士になるために。患者さんといい関係を築くために、学習しておきたいことを4つ挙げてみました。
- 心理学
- 行動経済学・社会心理学
- 哲学
- 教育学
これらを学ぶことで、患者さんへの理解が深まるのではないでしょうか?ぜひ、やってみてください!
以下の記事では、患者さんとのコミュニケーションの取り方を書いてみました〜!こちらも参考に読んでみてください〜
ではでは!以上、参考までに〜!!!