筆者が整形外科で勤務をしている際に、新人の理学療法士と話をした時のことです。
1回リハビリをした患者さんで、次の予約は取ったけどキャンセルになったとのこと。キャンセル理由は「いい感じだから」と。理学療法士に実際どうだったのか聞いたところ、「少し良くはなったけど、完全にはよくなっていない」だそうです。
筆者はその1年目の子に「じゃ、なんかあったんだね〜」と言ったところ、「厳しいっすね」と言われました。ですが、来なくなってしまった原因を考えなければ、また起きてしまいます。
筆者も7年目になりますが、まだまだこのようなことはあります。0にはならないですね、なかなか。こういう時、「何故来なくなってしまったのか」を考えるようにしています。その考え方を今日は伝えていこうと思います。
✓こんな人に読んで欲しい ・患者さんが1回で来なくなってしまうことが多い ・数回で来なくなってしまうことが多い ・途中で担当者を変えられてしまう ・患者さんとの信頼関係が築けない ・自分を担当者として指名して欲しい
誰の責任か
まず重要なのは、患者さんの責任にしないことです。
基本的には、「自分がどうしていればよかったか」という視点で考えることです。患者さんが悪い、相手がよくなかったと思ってしまうと、どうにもできません。どうにかするためには、まずは自分のどこかに非があったと考えることが必要です。
相手を変えることは無理です。まずは自分自身が変わること。
これは常に意識する必要があります。例えば筆者が行く整形外科でよく聞かれるのは、「あの人は自主練習やってこないから」とかですね。これだと、【患者さんが自主練習をしてこないから良くならない】と考えていることになります。責任の所在は患者さんになります。
ですがこれも、「なぜ患者さんは自主練習をしないのか?」と考えます。そうすると、①難しいのかもしれない②面倒くさいのかもしれない③やっても良くならないからやらないのかもしれない④実際の治療で改善していないからやる気がでないのかもしれない…等など。こんな感じで考えられます。①や②であれば、やりやすい簡単な自主練習に変更すればいいだけ。③や④であれば、セラピストが結果を出すべきです。
上記のように考えれば、何かを変えていくことができます。ですが、患者さんの責任にしてしまうと、何も進みません。何も改善しないし、自分の成長にも繋がらない。患者さんとの関係も悪くなるかもしれない…デメリットばかりです。
なので、まずは責任は、セラピストとすることから始めましょう。
来なくなってしまう原因
上記のように、「自分がどうすればよかったか」という視点で考えることで、来なくなってしまう原因が考えていけます。
原因として考えられるものを、大まかに3つに分けてみました。参考に考えてみてください。
①改善しない = 効果が無いと思われた
シンプルに良くならないから。何回か介入をしていて来なくなってしまった場合は、コレが考えられます。
初回で凄く良くなると思っている人もいれば、何処の病院に行ったって治らない、と思っている人もいます。なので、初回である程度の結果を見せることは必要かと思います。
ですが、1回の介入ではどうしても変わらない人。そういう場合は、説明が大事になります。それは以下で話していきます。
②治療内容に納得できていない = 説明不足
リハビリは医療といえども、サービス業でもあります。基本的には、説明して患者さんの同意がなければ、「一緒に治していく」という意識も芽生えにくいです。そうなると、病院で治療してもらって、家では何もしないとなりやすい…
なので、この「説明」というものはかなり大事です。治療の方針もできれば数種類提示できれば、、患者さんに選択肢を与えられます。
ここでは、自分の意見を押し付けるのはよくありません。なぜなら、サービス業の側面もあるから。納得してもらえるような説明を心がけましょう。
上記①で少し書きましたが、1回の介入では変化を与えられないような方には、説明が重要になってきます。「今の状態がこうだから、こうなってきたら痛みが良くなります」など。
他にも筆者の経験であるのは、腰痛の患者さんが来たときに「どこの病院いっても腹筋しろって言われるけど、腹筋してもよくなりません」と言われました。この方は他のスタッフから引き継ぎで担当した方でした。筆者は腹筋すれば良くなると、そもそも思わなかったので「私もそう思います」と言い、原因を説明しました。(笑) 良くなってきてから聞きましたが、この方は「Mikaさんも腹筋しろって言ったら、来なくなってた」と言われました。
上記からもわかるように、患者さんやクライアントに合わせる必要はないですが、相手が納得できない説明をすると、来なくなってしまう可能性が高いと考えられます。
③相性が悪い = 態度・話し方の問題
「相性が悪い」と言ってしまうとそれまでですが、本当に相性が悪いのかどうか。もしかしたら、患者さん・クライアントの態度によって、セラピスト側の気持ちが変わってしまっているだけの可能性もあります。
例えば、痛みが強かったり恐怖心や不安感が強い患者さんは、理学療法士側からすると少し怖いようなイメージを持つことがあります。そうすると、理学療法士も威圧的な態度になったりします。
好意の返報性というものをご存知でしょうか?好いてくれる相手を好きになるというものですが、これには、嫌悪の返報性もあります。上記の例ではこの、「嫌悪の返報性」に当てはまると言えます。
これらを知って、感情や態度を相手に合わせないようにすることも必要です。また、これらを知っておけば、患者さんがどういった心理状態なのかも把握することができます。それも治療に生かすことが必要です。
また、もし本当に相性が悪いなら、良さそうな理学療法士に担当を変更するのも1つの手です。
そのようなことも踏まえて、考えてみるといいでしょう。
まとめ
大まかにですが、患者さんが来なくなってしまう原因を考えてみました。
- 改善しない = 効果がないと思われた
- 治療内容に納得できない = 説明不足
- 相性が悪い = 態度・話し方の問題
の3つが考えられます。
また、もっと重要なことは、自分自身が変わること。患者さんやクライアントのせいにしないこと。
以下2つの記事を合わせて読んでいただくことで、さらに質の高い理学療法を提供できるといいなーと!
上記のことを考えて、患者さんが来たくなるような理学療法を提供できたらいいですよね。
参考までに〜!!!