ライフワークバランスを崩すという覚悟

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ここ数年、「ライフワークバランス」という言葉をよく耳にするようになった。
でも、私の中ではその言葉が、どこか他人事のように感じてしまうことがある。

私は30代前半の女性で、理学療法士として働いている。
専門職という立場で、これまで7〜8箇所のクリニックに勤務してきた。
その中で気づいたのは、30代女性の理学療法士が、驚くほど少ないということ。
20代や50代は多少見かけるけれど、30代になると、結婚を機に辞めていく人が多い。
妊娠ではなく、結婚。
そして、残っているのは、ほとんどが独身の女性。

私は結婚しても、クリニックで働き続けている。
拘束時間は長いし、帰宅は遅くなる。
病院勤務なら17〜18時に帰宅できるが、クリニックでは19〜20時になることも珍しくない。
給料も病院の方が昇給しやすく、退職金制度も整っている。
一方で、クリニックは給与があまり上がらず、退職金がないところも多い。
それでも私は、クリニックでの仕事が好きだ。
好きだから、続けている。
好きだから、多少の不便や不安定さも受け入れている。

ライフワークバランスを考えたら、私の働き方は“悪い”のかもしれない。
でも、私はそれでいいと思っている。
仕事が人生の中心にあってもいい。
そう思えるのは、私自身がそういう人間だからだし、それを理解してくれるパートナーがいるからだ。

ワークライフバランスを大事にしたい」と言う人を見ると、
その人はきっと、仕事を“生活のため”にしているのだろうと思う。
それはそれで、素敵な選択だと思う。
でも、私は違う。
私は、仕事が好きで、仕事に夢中になれる自分が好きだ。

スポーツ選手が競技に人生を捧げるように、
私も仕事に偏って生きることを、選んでいる。
偏ることは、悪いことじゃない。
むしろ、何かを本気でやろうとしたら、バランスなんて取っていられない。

もちろん、誰もがそうあるべきだとは思っていない。
仕事は生活の一部でいい、家族との時間を大切にしたい、そういう価値観も尊い。
でも、私にとっては、仕事が生きる理由のひとつであり、
そのために、ライフワークバランスを“崩す覚悟”がある。

それが、私の選んだ生き方。

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